【総勢24名】統一教会の信者と関わりを持った芸能人&政治家一覧

2022年7月8日、安倍晋三元総理大臣が銃撃を受けて亡くなるという、痛ましい事件が発生しました。

白昼に有名政治家が銃殺されるという事件そのものの衝撃もさることながら、この事件を機に世間の注目を集めたのは「世界平和統一家庭連合(旧名:世界基督教統一神霊協会、以下「旧統一教会」)」という宗教団体の存在でした。

 

犯人は二世信者であり、教団の広告塔となった安倍氏に怒りの矛先が向いたことが犯行の動機とされています。

旧統一教会については、かつて有名人をはじめとする信者を、教団の決めた相手と結婚させる「合同結婚式」や、いわゆる霊感商法の手口で信者に高額の献金をさせることが社会問題となり、メディアでも大きく取り上げられていました。

しかし、第一次安倍政権が発足した2006年ころからは、メディアからその名前を聴くことは少なくなっていきました。

1990年代には「オウム真理教」が同じように社会問題とされ、警察の捜査によって解散(宗教法人の認可取消)処分を受けました。

 

ジャーナリストの有田芳生氏によれば、警察庁内ではこの流れで旧統一教会へも強制捜査を進める機運が高まっていたそうですが、結局は果たされず、2008年ごろから捜査体制自体も縮小されていきました。

 

こうして表立って取り上げられることが減っていた間にも、旧統一教会が芸能界や政界に大きな影響力を持っていたことが、安倍氏の事件以後再び明るみに出てきています。

この記事では、旧統一教会信者と関わりがあったとされる有名人25人についてまとめてみます。

統一教会信者と関わりを持った有名人

まずは旧統一教会と関わりを持ったとされる芸能人・有名人たちを紹介していきます。

本当に信者になった方もいれば、入信はしていないもののイベントや関係者と接点がある方もいらっしゃいます。

桜田淳子

歌手・女優の桜田淳子さんは1973年にデビューしました。山口百恵さん・森昌子さんと並び「花の中3トリオ」と呼ばれ、当時国民的な人気を集めたアイドルでした。

ヒット曲には「わたしの青い鳥」「夏にご用心」「気まぐれヴィーナス」「しあわせ芝居」等があり、シングルレコードの累計販売数は600万枚にも及びます。

 

桜田淳子さんは実姉の影響により、19歳から旧統一教会へ入信し、1992年には韓国ソウルで行われる合同結婚式に参加する事を明らかにしました。

当時、旧統一教会は、高額な壺や印鑑を売りつける霊感商法やマインドコントロールによる過激な布教活動から社会問題となっていたため、世間への衝撃はかなりのものでした。

 

この合同結婚式により、実業家東伸行さんと結婚。

その後、桜田淳子さんは3人の子供に恵まれ、子育てを理由に芸能活動を休止しています。

 

夫である東さんは自身の会社を廃業し、現在、投資家として生計をたてているようです。

お子さんも皆成人し、桜田淳子さんの芸能界復帰が囁かれていますが、元所属事務所からは教団を脱会しない限りは復帰させられないとし、桜田淳子さんが「旧統一教会の広告塔」であった責任は重いとしています。

音無美紀子

音無美紀子さんは1967年に女優としてデビューし、テレビドラマを中心に活躍されています。夫は俳優・声優の村井國夫さん。ハリソン・フォードの吹替が有名ですよね。

音無美紀子さんが旧統一教会へ入信したきっかけは、ご子息が難病を患ったことが理由でした。

 

ご子息が闘病されている病院の看護師からの紹介で、夫である村井國夫さんには入信したことを秘密にしていました。

息子さんの病気が快復するなら何でもするという気持ちで、旧統一教会へ飛び込んだと、後にご自身の著書で語られています。

 

その後もご自身の乳がん、鬱病と大きな悲劇が襲い、一時期は死を考える程精神が追い詰められていたそうです。

その間も信仰は続いていましたが、もともと音無さんは旧統一教会の霊感商法自体には懐疑的であったこともあり、夫である村井さんの説得でようやく脱会する決意をしたのです。

 

その後、現在でも変わらずご夫婦仲睦まじくされている様子をテレビやインスタグラム等で伺うことができます。

飯星景子

タレント・作家でもある飯星景子さんは、1992年から旧統一教会の行事に参加するようになり、同年に行われる合同結婚式にも参加予定でした。

しかし、まだ入信一年に満たなかったため、この年は見送られることになりましたが、その後飯星景子さんは謎の失踪をします。

 

心配した父親である作家の飯干晃一氏は、テレビ番組で娘奪還のため教団に「宣戦布告」をしたのです。

事態が大きくなっている事を知った飯星景子さんは失踪先から父親の元にもどり、飯干氏による説得が始まりました。

 

教会の文献を徹底して研究していた飯干氏は、丸4日かけて飯星景子さんと議論し、さらに元信者を交えて2週間の話し合いを重ねた結果、飯星景子さんは脱会を宣言することになったのです。

月丘夢路

女優である月丘夢路さんは、旧統一教会の関連企業が販売する高麗人参茶のテレビCMに出演していました。

夫である井上梅次監督の映画に、旧統一教会系の政治団体の後押しを得て撮影された作品があったこともあり、なんらかの関わりがあるのではという疑惑が持ち上がりました。

 

月丘夢路さんご自身は「自分はローマ・カトリック教会の信者であり、教会とは無関係である」と否定されています。

徳田敦子

徳田敦子 統一教会

徳田敦子さんは大阪府出身のバトミントンの選手。全日本総合バトミントン選手権大会で

1978年に女子シングルス優勝、女子ダブルスでは1977年から1987年にかけて合計10回の優勝経験を誇る著名なアスリートです。

 

徳田敦子さんも、桜田淳子さんや山崎浩子さんと並び1992年の合同結婚式に参加しており、教団内で「祝福三女王」と呼ばれました。

現在も信者であり、合同結婚式でマッチングされた男性と継続した家庭を築いています。

山崎浩子

山崎浩子さんは元ロサンゼルスオリンピック新体操選手で、新体操人気の火付け役とも言われました。現在は、指導者として後進の育成に従事されています。

1989年頃に友人の紹介により旧統一教会に入信、その後教会の「原理」にどんどんのめり込み、1992年の合同結婚式に参加し、祝福を受けるまでに至ったのです。

 

その様子を危惧していた山崎さんの実姉は、日本基督教団の杉本牧師へ教団脱会の説得を依頼しました。

杉本牧師は、いかに旧統一教会が一般のキリスト教の教義とかけ離れているのか、文鮮明の虚偽の経歴やルーツを説明し、山崎さんを説得しました。

 

5日間の話し合いの末、杉本牧師は山崎浩子さんのマインドコントロールを解除することに成功しました。

その後山崎さんは記者会見をひらき、旧統一教会脱会の意思を表明したのです。

勅使河原秀行

勅使河原秀行さんは1992年の合同結婚式に参加し、山崎浩子さんの結婚相手として注目を浴びた人物です。

 

勅使河原秀行さんは愛知県出身で、京都大学農学部を卒業し、大和証券へ入社。

一般的にエリートと呼ばれる人物も、旧統一教会の信者であるという事実は大きな話題となりました。

 

勅使河原秀行さんは大学時代に「原理研究会」に参加し、その教義に心酔していきました。

この原理研究会というのは、旧帝大をはじめ日本各地の大学(およそ70校)にある旧統一教会の下部組織で、文鮮明が提唱する「統一原理」を研究する非営利団体とされています。

 

山崎浩子さんとの結婚は山崎さんの脱会により破談になりましたが、勅使河原さんは山崎さんからの手紙を勝手にメディアへ公開したり、自宅前に集まった報道陣に対し山崎さんへの思いをアピールしたりする等、この結婚にかなり執着されているのが伺えました。

その三年後、勅使河原さんは合同結婚式で現在の妻と結婚、現在は旧統一教会の改革推進本部本部長として教会運営に携わっています。

藤岡弘

1992年、東京スポーツ新聞は『仮面ライダー』で知られる藤岡弘、さんが「旧統一教会信者」であると報じました。

しかし、実際のところ旧統一教会系のフロント企業が運営する自己啓発セミナーの広告塔として利用されただけである、とご本人は教会との関与を否定されています。

椎名桔平

2011年9月6日に神戸ユニバー記念競技場で行われた旧統一教会主催の「ONE KOREA CUP in Japan」というサッカーのイベントに、日本の芸能人サッカーチーム「THEミイラ」の一員として参加したことが疑惑の発端となりました。

 

この芸能人サッカーチームは明石家さんまさん・漫画家の望月三起也さんが発起人となって1980年代に設立され、俳優のなすびさんをはじめ、元Jリーガーやモデル・歌手等が多数参加しています。

実際のところ、チームは後援に兵庫県サッカー協会があったことから試合依頼を引き受けただけで、メンバーご本人たちは旧統一教会との直接的な関わりはないようです。

なすび

なすびさんはテレビ番組「進ぬ!電波少年」の企画「電波少年的懸賞生活」で活躍されたお笑い芸人です。現在は舞台を中心とした俳優として活躍されています。

なすびさんも椎名桔平さんと同様、芸能人サッカーチーム「THEミイラ」に所属し、前述したサッカーイベントに参加したことが理由で旧統一教会との関係を疑われますが、旧統一教会との関わりはないようです。

少女時代

少女時代

引用元:ORICON

少女時代は、かつて日本でも大人気だったK-POPアーティストです。2011年8月に開催された旧統一教会主催の音楽イベント「清心ミュージックフェスティバル」に出演したことで、旧統一教会に関与しているのではないかとネット上で囁かれていました。

 

しかし、ジャーナリストの有田芳夫氏によれば、韓国で旧統一教会は宗教というより「財団」としての知名度が高く、教祖の家族が芸能プロダクションを運営しているため、少女時代もあくまで「営業」として招かれたようです。

2PM

2PM 統一教会

引用元:livedoorNEWS

韓国の人気ダンス&ボーカルグループである2PMにも旧統一協会関連の噂がありましたが、実際には2PMが直接関係しているのではなく、兄弟グループ2AMが前述した「清心ミュージックフェスティバル」に出演したというのが根拠のようです。

 

とはいえ、韓国では大手芸能事務所に所属する超一流の人気アーティストが軒並みこのフェスに出演しているということで、いかに旧統一教会が韓国芸能界に影響力を持っているかがうかがい知れるようです。

旧統一教会と関わりを持った政治家たち

ここまで、旧統一教会と芸能人について見てきたわけですが、この教団の成り立ちは第二次世界大戦後の政治の流れに深く関わっています。

安倍元総理大臣銃撃事件で再び注目されるようになった「世界平和統一家庭連合」とはいったいどんな団体なのでしょうか。

 

旧統一教会は宗教団体というより宗教と産業が合体したような複合体です。教団以外にフロント企業、団体が数多く存在し「統一グループ財団」と呼ばれています。

彼らの目的は「天一国」という宗教国家設立であり、もうすでに国旗、国歌、憲法まで制定されています。

そして、その国家設立の資金源として使用されるのは、日本人信者からの献金なのです。

 

旧統一教会は信者にこう教えます。

「日本人の先祖が我々韓国人へ多くの罪を犯した。そのことが原因で子孫である日本人信者に様々な苦しみを与えている。その罪を償わなければあなた達は幸せになれません」

——つまりかつて日本が朝鮮を植民地支配した罪を償うために、日本人信者は献金し、先祖の怨念を解き、懺悔する気持ちで献金しなければいけないというのです。

旧統一教会が、植民地時代からの積年の恨みを日本人から多額の献金をさせることで果たしているとすれば、日本の保守政治家達からは大きな反発がありそうなものです。

 

では何故日本の政治家は、旧統一教会にここまでの関わりをもっているのでしょうか。

ここでは、韓国の宗教団体が日本に深く浸透し、日本人が多額の献金を提供するに至ったのかを、政治家との関わりその歴史を通して全貌を明らかにしていきたいと思います。

岸信介

岸信介氏は第56・57代内閣総理大臣で、安倍晋三氏の祖父にあたります。

岸氏と旧統一教会の関わりは、1968年に文鮮明氏が韓国の軍事政権の指示のもとに創設した、反共産主義の政治団体「国際勝共連合」に端を発します。

 

当時は60年安保条約に反対する国民による左翼運動が激化していました。この運動を抑えるために反共産主義という点から国際勝共連合が助っ人的役割を担えると踏んで、岸氏はその日本支部設立に加わったのです。

その後も勝共連合は国政選挙時には応援という形で、保守層にじわじわと浸透していきました。その闇は深く、我々国民の知らないところで幅広く影響を及ぼしているのです。

 

岸氏は文鮮明のことを盟友と呼び、もっとも尊敬する人物としていました。かつてアメリカで文鮮明氏が脱税の罪で投獄された際には、レーガン大統領へ釈放を求める陳情書を送るほど親交は深かったのです。

安倍晋太郎

農林大臣、内閣官房長官、通産大臣、外務大臣等を歴任した安倍晋太郎氏は安倍晋三氏の父であり、岸信介氏の長女洋子さんの夫です。

衆議院議員安倍寛の長男として誕生し、義父に元内閣総理大臣の岸信介、義理の叔父は元内閣総理大臣の佐藤栄作をもつ「政界のプリンス」と呼ばれていました。

岸家家系図

引用元:AERAdot

安倍晋太郎氏も義父である岸信介氏同様、旧統一教会及び勝共連合とのかかわりが深いことがしばしば取り上げられました。

自民党内部では、晋太郎氏が旧統一教会会員を秘書として紹介し、頻繁に議員たちを旧統一教会のセミナーに勧誘していたと言われています。

 

晋太郎氏と旧統一教会との関係の背景には、1963年の衆議院総選挙での落選経験が絡んでいます。晋太郎氏にとって政治家人生における唯一の落選でした。

この落選がよほど堪えたのでしょう、晋太郎氏はこれを契機に、自らの派閥の拡大と政治的地盤の確立にがむしゃらに取り組んでいったのです。

 

そこで大きな役割を果たしたのが勝共連合及び旧統一教会でした。

ジャーナリストの有田芳生氏によれば、旧統一教会では女性信者を教会の所有する宿泊施設に集め、秘書としての研修を行い、議員達のもとへ派遣しているといいます。

 

また、選挙となれば勝共連合は、教会信者を動員してビラ配りや選挙資金の援助、票の取りまとめ等を無償で提供します。これらの恩恵を受けている議員のことは「勝共議員」と呼ばれています。

 

こうして勝共連合にいわば恩のある国会議員が増えていくことで、旧統一教会にとっては自分たちに有利な政策の誘導や、国家機密レベルの情報の入手が可能となっていくというわけです。

支援者と票を集めたい晋太郎氏と、日本の政治の内部に侵入し影響力を及ぼしたい勝共連合(旧統一教会)は、利害の一致のもとお互いに利用しあう関係であったと言えるでしょう。

安倍晋三

安倍晋三

引用元:首相官邸

安倍晋三氏は第90・96・97・98代にわたって内閣総理大臣を務めました。前述のとおり2022年7月8日奈良県奈良市での街頭演説中に銃撃を受けて亡くなりました。

安倍晋三氏の旧統一教会への関与は、教団と関わりのあった父・晋太郎氏の政治基盤を引きついだ時から既に存在していました。

 

しかし、晋三氏が初当選した1993年は、合同結婚式や霊感商法などで旧統一教会が世間を騒がせていた時期にあたり、晋三氏個人は教団に対してかなり警戒していたようです。

そのせいか、教団関係のイベントに出演することや、教会関係者と個別に会合することはありませんでした。選挙に関しても教団に応援を依頼する事なく、適度な距離を置いていたようです。

 

しかしながら、総理就任後2007年に一度辞任したのち、2012年に第二次安倍内閣が発足すると、くしくも父晋太郎がそうだったように、晋三氏は長期安定政権を築き上げるべく、組織票と無償で働く信者達を目当てに、自ら教団に接近していきました。

晋三氏が直接旧統一教会に派閥議員の選挙応援を依頼した例としては、2013年の参議院議員選挙に出馬した北村経夫氏のケースがあげられます。

 

北村氏の後援会名簿には国際勝共連合・世界平和連合の幹部の名が記載され、北村氏の選挙事務所には世界平和連合の女性スタッフが派遣されていました。

教団による組織票は8万票にのぼり、北村氏の獲得票数の大半を占めていたとされています。

 

また、2016年に行われた晋三氏とドナルド・トランプ元大統領との就任前事前会談も教団の仲介により実現しました。

トランプ元大統領と安倍元総理

引用元:NHK

この会談は国際勝共連盟の幹部が天宙平和連合(UPF)総裁の韓鶴子氏に連絡を入れ、韓鶴子氏がトランプ氏の娘婿であるジャレット・クシュナーとコンタクトを取ったことにより、両氏の会談がAPEC首脳会談前に執り行われたのです。

 

総理大臣が、現職の大統領ではなく次期大統領に面会するのは異例のことでした。

こうして韓鶴子氏の取り計らいで、安倍氏はトランプ大統領と最初に会談した海外のトップとして、日米の親密ぶりを世界中にアピールすることができたのです。

このことが影響してか、晋三氏は2021年に開催された天宙平和連合(UPF)主催のイベント「THINK TANK 2022」にビデオメッセージを寄せています。

トランプ元大統領天宙平和連

引用元:毎日新聞

勝共連合会長の梶栗正義氏はNHKの取材に応じ、当初晋三氏はこの依頼を受諾する気はなかったものの、ドナルド・トランプ氏がUPFにビデオメッセージを寄せていることを知ったことがきっかけで、受諾に至ったと述べました。

ワシントン・ポスト紙によれば、旧統一教会とその関連団体は、教団の名を世に知らしめるため世界中の著名人・政治家・聖職者に高額の謝礼を支払って、講演を依頼しています。

 

こうした講演者としてはブッシュ元大統領や、旧ソビエトのゴルバチョフ元大統領など名前が挙がっています。アメリカ旧統一教会の元幹部の話によれば、過去には講演の謝礼が1回当たりでおよそ100万ドルにものぼる例もあったとしています。

おそらく晋三氏も旧統一教会関連の講演においては、報酬を受け取っていたと考えられます。

 

しかしながら、UPFへ寄せたこのビデオメッセージが引き金となり、晋三氏は銃撃事件で射殺されてしまう悲しい結果となりました。また、政治家と旧統一教会の「癒着」が明らかにされ、社会問題として大きく報じられるようになりました。

このように岸信介氏・安倍晋太郎氏・安倍晋三氏は3代続けて、旧統一教会の影響を日本社会に深く浸透させるために、政治的に重要な役割を果たしたといえるでしょう。

麻生太郎

麻生太郎氏は元内閣総理大臣(第92代)で、副総理、財務大臣、外務大臣、総務大臣を歴任しています。

旧統一教会系団体「宇宙平和連合(UPF)」のパンフレットに麻生氏の名前が記載されていることが疑惑の発端でした。

THNKTANK2022

引用元:UPF

2021年UPFは「Think Tank」という団体を設立しました。この団体は政治・経済・学術・宗教・メディア・芸術・文化など、様々な専門家のグローバルネットワークだといいます。

世界平和頂上連合

引用元:UPF

この団体は複数のグループで構成されており、その中にある「世界平和頂上連合(ISCP)」に所属する唯一の日本人として麻生太郎氏の名前が掲載されているのです。

麻生氏はこの件に関して、その団体もパンフレットも知らないと、旧統一教会系団体への関与を否定しています。

 

ただ、麻生太郎氏は、文鮮明氏が計画していた巨大プロジェクト「日韓トンネル(※)」事業に顧問として名を連ねていることや、教会系新聞「ワシントン・タイムス」に全面意見広告を掲載していたこともあって、以前から協会への深い関わりがあったことは否定できないでしょう。

※日韓トンネル事業とは

日本の九州佐賀県の唐津と韓国の釜山間を海底トンネルで結ぶというもの。全長約200kmで、青函トンネルや、ドーバー海峡・ユーロトンネルの約4倍の距離であり、荒唐無稽で実現不可能とされています。

しかし、旧統一教会ではこの巨大プロジェクトを掲げることで、信者からの献金を募る道具として使用しているのです。

鳩山由紀夫

鳩山由紀夫

引用元:biglobeニュース

鳩山由紀夫氏は元内閣総理大臣(第93代)で、経営工学者です。現在は東アジア共同研究所の理事長を務めています。

鳩山氏は2004年に国際勝共連合と世界平和連合が共催した「救国救世全国総決起大会」に民主党議員9人と出席していました。

 

自身も壇上で挨拶をし、当時旧統一教会の会長であった小山田秀生氏にエールを送っていました。

鳩山氏は他の政治家達同様、教団の教義云々よりも、旧統一教会会員の支持が得るために会議に参加していたものと考えられます。

中曽根康弘

中曽根康弘

引用元:日本経済新聞

中曽根康弘氏は第71・72・73代にわたって内閣総理大臣を務めました。

中曽根氏も、国際勝共連合が1990年に機関紙「思想新聞」に掲載した「勝共推進議員名簿」に名前があげられています。

 

また、同年に開催された勝共連合の会合でも、挨拶のために出席した様子が同紙に掲載されていました。

岸 信夫

岸信夫

引用元:首相官邸

岸信夫氏は第一次岸田内閣で防衛大臣を務めました。安倍晋三氏の実弟で、母方の実家である岸家に養子に入っています。

岸氏も2006年に「宇宙平和連合(UPF)」の主催するイベントに祝電を送っていたのです。

 

また、安倍氏の事件後、記者会見で選挙の際に旧統一教会信者からのボランティアで、電話での投票を呼び掛ける支援を受けていたことを明らかにしました。

旧統一教会の霊感商法や献金が問題となっていることを認識していたと認めながら、「選挙なので支援者を多く集めることは必要」として、選挙協力自体は「問題はない」という認識を示し、また今後の教団との関係について「軽々に答えることはできない」と明言を避けたことで、批判が殺到しました。

野田聖子

野田聖子氏は郵政大臣・総務大臣などを歴任し、岸田総理と総裁選も争った女性政治家です。

令和3年6月13日に開催された安保岐阜県大会実行委員会主催の「安保岐阜県大会」に祝電を送り、また秘書が代理出席していた事が明らかになりました。

 

この件について、野田氏の事務所は

地元の県議から依頼を受けたもので、日本の安全保障をテーマとしたシンポジウムであったため、事務所の判断で対応したものだった。

しかし、その後旧統一教会関連団体が共催であったことがわかり、社会的問題が指摘されている以上、政治家として関わりを持つことはできない旨を伝えた。

その後は一切の関わりを持っていない

引用元:Twitter

とTwitterで報告しています。

佐藤正久

佐藤正久 統一教会

引用元:Wikipedia

元陸上自衛官、自民党の参議院議員で愛称は「ヒゲの隊長」。

外務副大臣、防衛大臣政務官を歴任されています。

 

佐藤氏と旧統一教会の関わりは、猫島として有名な宮城県沖にある小さな島にNPO法人「石巻・田代島しまおこし隊」が「海洋学習ヴィレッジWAQUA」を建設する計画を発表した事が発端でした。

猫島石巻市田代島

引用元:産経フォト

このNPO「石巻・田代島しまおこし隊」の背後には「海洋和平」という旧統一教会系の団体が存在することが判明し、島民らは教団に島をのっとられるのではないかと不安に思っていました。

しまおこし隊の理事を務める佐藤健雄氏という人物は、佐藤正久氏の実の叔父にあたります。

 

この佐藤健雄氏は、前述した海洋平和のCEOを務めており、1970年代に合同結婚式に参加した古参の信者で、文鮮明氏から直接指導を受けた人物です。

そしてこの海洋和平は旧統一教会の日本戦略を担う海洋事業投資会社であるとされています。

 

そして、2021年に開かれた同社の株主総会で祝辞を述べたのが佐藤正久氏でした。

佐藤氏はテレビの取材に答え、叔父である健雄氏が信者であることを認めましたが、自身は無関係であると述べています。

 

一方で、佐藤議員は海洋和平が主催するセミナーでも数回にわたって講演をしており、その活動と全くの無関係とは思えない節があります。

たとえ叔父の依頼であったとしても、講演するにあたって佐藤氏が、自身の政治家としての影響力を考慮しなかったことには疑問が残ります。

高村正彦

高村正彦

引用元:読売新聞

高村正彦氏は山口県出身の政治家であり、弁護士です。自民党副総裁(第13代)、法務大臣(第70代)防衛大臣(第3代)外務大臣(第122・135代)などを歴任しました。

高村氏は1980年に、旧統一教会の女性信者が精神病院に強制入院させられ、改宗を迫られた事件で、弁護士として教団側の訴訟代理人を務めました。

 

高村氏は裁判所に強制改宗行為の違法性を訴え、人身保護請求の手続きを行い、女性は無事解放されることとなりました。

その後、旧統一教会との関連を質問された際には、「今はなんのかかわりもない」と述べました。

 

しかし、1989年の政治資金収支報告書には旧統一教会系「株式会社ハッピーワールド」から高級車を提供されたとの記載があります。

また、前述した「勝共推進議員」の名簿にも高村氏の名前は記載されています。

井上義行

井上義行氏は、第一次安倍内閣で内閣総理大臣秘書官を務めた、自由民主党所属の参議院議員です。

政治家と統一教会関係図

引用元:朝日新聞Digital

2022年の参議院選挙の際、自身のYoutubeチャンネルに公開された「井上よしゆき君を激励する会」の映像には、旧統一教会関連団体「世界平和連合(FWP)」の事務総長が演説する様子が記録されており、その後安倍元総理大臣も登壇していました。

 

また、井上氏本人も埼玉県で開催された旧統一教会の集会「神日本第1地区 責任者出発式」に出席し演説しています。

この中で、井上氏は自身が街頭演説で同性婚について「家庭を破壊する」「人類2000年の歴史の否定」などと発言し、批判が殺到した件に触れ、改めて同性婚反対を主張したのです。

 

ちなみに旧統一教会の教義においても、同性婚や夫婦別姓は自然に反する「生活共産主義」として禁じられています。

こうした井上氏と旧統一教会との関係は票集めが目的なのか、それとも本当に旧統一教会の教義に埋没してしまったためなのかは定かではありませんが、井上氏は自身が旧統一教会の賛同会員であることを公表していました。

 

しかしながら、安倍元首相の銃撃事件を境に、自民党内での旧統一教会との関わりが大きな社会問題となったため、自民党の意向で「脱会」したことが明らかになりました。

後藤田正純

後藤田正純

引用元:日刊スポーツ

後藤田正純氏は衆議院議員で内閣府副大臣及び自民党徳島県連会長を歴任しています。配偶者は女優の水野真紀さんで、元法務大臣の後藤田正晴氏は大叔父にあたります。

旧統一教会関連では2008年に天宙平和連合が主催した「グローバル・ピース・フェスティバル・ジャパン2008」のために来日した文鮮明の三男文顕進との昼食会に参加したことを認めています。

稲田朋美

稲田朋美

引用元:毎日新聞

稲田朋美氏は弁護士であり、自民党の衆議院議員です。防衛大臣・内閣府特命担当大臣・国家公務員制度担当大臣、を歴任しています。

稲田氏は2006年から2010年の間に3回「世界平和女性連合県連合会春のつどい」「世界平和連合県大会」に出席していました。

 

稲田氏は当時旧統一教会関連の団体とは認識しておらず、いずれも挨拶だけして退席したものと説明しています。

稲田氏は「今後教団とは関係を持たない」と表明していますが、稲田氏の地元後援会「ともみ・越の会」の立ち上げには旧統一教会関係者が関わっていました。

 

2020年の福井県国会議員政治資金収支報告書には、この後援会の収入総額が1億157万円と福井県内最多であったことが記載されています。

まとめ

岸信介氏からはじまった政治家達の旧統一教会との関わりは、皮肉にも孫である安倍元総理の銃撃事件でようやく明らかにされました。

1992年の合同結婚式の騒動以降、大々的には話題になることはなく、消滅したかのように鳴りを潜めていた旧統一教会。

 

実際は日本の政治中枢に密やかに浸透していた事が、皆さんにもおわかりいただけたかと思います。

政治家と特定の宗教団体の関わりは特に違法ではありません。しかしながら、旧統一教会による霊感商法の被害件数は1987年から2021年までで合計3万4537件、被害総額は1237億円にのぼります。

 

これだけの被害を生み出した反社会的と言っていい団体を「信仰だから」という理由で等閑に付しておいてよいものなのでしょうか。

そもそも関わりのあった政治家達は旧統一教会のことをよく知らないまま支援を受けていたのかもしれません。例え知っていたとしても、票をまとめてくれる彼らを利用したのかも知れません。

 

しかし、政治家や芸能人がイベントに参加し、祝辞やメッセージを送ることは、旧統一教会の社会的信用を維持し、勢力拡大につながります。

政治家や芸能人との関わりが、教団への広告塔となり、被害拡大に加担したといえるでしょう。教団の反社会的な活動を「癒着」というかたちで容認したその責任は、今後問われるべきだと思います。

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