2020年3月、コメディアンの志村けんさんが新型コロナウィルス感染症に伴う肺炎で逝去されました。
日本のお笑い界では常にトップランナーとして活躍され、老若男女問わず多くの人たちに愛され続けた方でした。
突然の訃報は世間に大きな衝撃を与え、「信じられない」「志村ロス」という言葉がSNS上で飛び交い、日本中が悲しみ包まれました。
そんな中、ネット上では「志村けんさんは生きている!」説を唱える人も現れ物議を醸しています。
この記事では志村けんさんの生存説について調査し、その真偽を検証していきます。
目次
コロナで亡くなった志村けんになぜ生きてる説が?

引用元:産経新聞
志村けんさんは、2020年3月20日に肺炎と診断されて入院しましたが、23日に新型コロナウィルス検査で陽性と診断されました。
その後、治療の甲斐もなく病状は悪化し、入院後わずか10日足らずで亡くなれられました。
あまりの急激な展開に心が追いつかないファンの方も多かったことでしょう。
メディアでは志村けんさんが入院したというニュースは流れていたものの、実際の闘病生活の様子ついての情報はなく、ご本人の姿や肉声の公開もないまま「逝去」の情報だけが大きく報道されました。
このように志村けんさんの入院から死にいたるまでの経緯が不明瞭なことから、「なんらかの事情で志村けんさんは死んだこととされたが、本当は生きている」という説が浮上したのです。
ここではなぜ「志村けんさんが生きている説」が現れたのかを、5つの理由から詳しく調査していきます。
誰も最後の姿を見ていない

引用元:ニッポン放送NEWSONLINE
折しも志村けんさんが新型コロナウィルスに感染したのは、緊急事態宣言が出される以前の流行の兆しが見えはじめた頃。
このウィルスがどういったもので、どのように感染していくのかは正確には判明しておらず、効果的な治療法はおろか薬もワクチンもない状態でした。
このため当時、新型コロナ感染者に対しては接触による感染リスクを防ぐため親族であっても面会謝絶の状態でした。
志村けんさんが入院中も親族の方は直接連絡がとれなかったそうです。
また病状や治療の経過についても、メディアを通じてしか知ることができず、亡くなってからもご遺体と対面することができなかったのです。
同時期に新型コロナ感染症が原因で亡くなられた岡江久美子さんの時と同じく、志村けんさんが亡くなった後、親族の方は感染防止のため火葬場に行くこともできませんでした。
志村けんさんの最期の姿は、荼毘に付された状態で遺骨だけが自宅に送られてくる状態でした。
所属事務所関係者や親族ですら、誰も志村けんさんの最期の姿を見届けていないことから、「志村けんは生きている」説がうまれてきたのです。
コロナ陰謀論者による噂
今やSNSやネットは陰謀論やフェイクニュースで溢れかえっています。
ここ最近で有名になった例を挙げれば
- 「新型コロナウィルスは人口削減のための細菌兵器として人為的につくられた」
- 「ビル・ゲイツがコロナワクチン接種時に体内へマイクロチップを埋め込ませるよう仕向けて、人間の行動を監視しようとしている」
というものなどなど、枚挙にいとまがありません。
こういった陰謀論を語る人達の間では
志村けんさんはもともとなんらかの秘密組織のフィクサーであって、組織の目的達成のため新型コロナウィルスを利用して「死を偽装」し、実際は生きているのではないか
という憶測も飛び交っています。
この「死の偽装」説の発端は、志村けんさんの訃報を聞いた小池百合子東京都知事の発言からきているようです。
最後にですね、悲しみとコロナウイルスの危険性についてですね、しっかりメッセージを皆さんに届けてくださったという、その最後の功績も大変大きいものがあると思っています。
志村けんさんが亡くなられたのは緊急事態宣言が発令される直前の時期でした。
一説では、コロナの恐怖を都民に知らしめるために、都知事が志村けんさんに「死を偽装」することを依頼したというのです。
小池都知事の「最後の功績」=「我々に協力してくれたこと」を意味しているというのですが・・・。
とはいえ、そもそも芸と礼儀に厳しいことで知られる志村けんさんが、その後の仕事一切を棒に振ってまで偽装の依頼を引き受けるでしょうか。
たとえ「コロナの恐怖を知らしめる」ためで、さらにそれなりの報酬などがあったとしても、そのために仕事関係者に迷惑をかけたり、ファンを悲しませたりしかねない選択を志村けんさんがするとは思われません。
よって、この「偽装」説もあくまでも噂の域をでないお話しではないでしょうか。
目撃証言がある
2020年8月、Twitterに次のような写真が投稿されました。
ありぁ志村けんやっぱり生きてたんかな。遺骨のDNA鑑定必要だな。 pic.twitter.com/8dnRaiMNfU
— びんぼ♬ (@binbou415) October 11, 2020
これはまぎれもなく志村けんさんご本人の写真なのですが、調査したところ生前の2020年3月に「女性自身」に掲載されていた写真であることが判明しました。以下が実際の投稿写真です。
元気な姿を「目にする」ことには相当のインパクトがあるのは事実ですが、実際には過去の写真だったということで「目撃証言」と呼ぶには無理があるようです。
志村ガールズが消息不明

引用元:文春オンライン
志村けんさんはお酒と女性をこよなく愛し、夜の繁華街での豪遊はちょっとした伝説になるほどでした。
そんな志村けんさんが愛した「夜の街」で不思議な噂ばなしが横行しはじめたのです。
その噂というのは、志村けんさんが懇意にしていた「夜の街」の女性達が次々と消息不明となっているというのです。
ネット上では、「実は志村けんさんは生きていて、お気に入りの女性達と一緒に海外で楽しく暮らしている」という話まで持ち上がっています。
志村けんさんが新型コロナウィルスに感染したのは2020年3月、ちょうど感染拡大が始まりだした頃でした。
先に触れたとおり、当時は治療法もワクチンも感染予防対策も、まだまだ解明されていませんでした。
よって当初は「感染経路」を洗い出し、元を辿って濃厚接触者を隔離するという策がとられていました。
特に「夜の街」での感染する人が多く現れ、中でも感染経路不明者が急増したため問題視されていました。
当時は、コロナ禍序盤ということもあり、世間やマスコミは自粛ムード一色。感染の一因と疑われた「夜の街」では多くの飲食店等が一時休業を余儀なくされたのです。
志村けんさんが足しげく通った「夜の街」で働く女性達にもこうした世情の影響が直撃したであろうことは想像に難くありません。
自粛休業により仕事がなくなったことはもちろんですが、自分が志村さんを感染させた犯人と世間から思われる恐怖から、自ら「夜の街」を去った方もいると思われます。
あの頃の「夜の街」での感染は、世間から厳しい批判を受けていたのは記憶に新しいですね。
ましてや国民的コメディアンを死に至らしめた犯人にされてしまう恐怖から身を隠してしまったのかもしれません。
コロナで突然死する有名人が多すぎる

引用元:ニッポン放送NEWSONLINE
新型コロナウィルス感染拡大により、志村けんさん以外にも多くの著名人が亡くなられました。
俳優では岡江久美子さんや千葉真一さん、デザイナーの高田賢三さん、料理研究家の神田川俊郎さんなど、おそらく新型コロナウィルスが蔓延しなかったら、ご存命であったであろう方々ばかりです。
その一方で、言うまでもなく数多くの一般の方もコロナ禍の犠牲となっています。コロナで亡くなったすべての皆様に対し、心よりご冥福をお祈りいたします。
志村けんはなぜ急に亡くなったのか
新型コロナウィルス感染症では約8割の人が軽症で済みますが、一部の人は重症化し、肺炎や呼吸困難の症状が急激に悪化することあります。
志村けんさんの場合も、新型コロナウィルス感染症による肺炎で入院した4日後には重症化し、ECMO(※)を装着することになります。そしてその5日後には帰らぬ人となってしまいました。
ここでは、なぜ志村けんさんの病状がこうも早く悪化したのか、原因を考察していきたいと思います。
ヘビースモーカーであった
厚生労働省によれば、新型コロナウィルス感染によって重症化するリスク因子として、慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、慢性腎臓病、悪性腫瘍、肥満、喫煙、免疫抑制などが挙げられます。
特に喫煙(過去にも喫煙経験がある)は、非喫煙者と比較して重症化する可能性が高いことがWHOの報告により明らかになっています。
志村けんさんは一日に、多いときで3箱も煙草を吸っていたそうです。
そのせいか、2016年8月に肺炎を発症され、約10日間の入院をされています。
それ以来禁煙をしていたそうですが、過去からの喫煙による肺への影響はかなりのものだったと思われます。
このことから、新型コロナウィルス感染後の病状の悪化にも相当に影響があったと考えられるでしょう。
過去に肺炎を患った
前述したように、志村けんさんは過去に肺炎を患った経験がありました。一度肺炎を患うと、再び肺炎を発症しやすくなるとされています。
特に志村けんさんのような65歳以上の高齢者はその危険性が高いことが知られています。
なぜなら高齢者が肺炎を患うと長期間の入院により身体の機能が衰弱し、呼吸困難や嚥下困難など、直接の死因につながりやすい状態に陥るリスクが非常に高まるからです。
重病説の噂
肺炎を発症したその後も志村けんさんは、テレビや舞台で活躍されていました。
しかし2018年には肝硬変と診断され、医師から「このままだとガンになる危険があるからお酒は3杯までにしてください」と注意されていたようです。
さらに2019年9月には「下血による体調不良」で救急搬送されました。
この時志村けんさんは週2本のレギュラー番組と、年数回放送される「バカ殿様」や「だいじょうぶだぁ」の特番や舞台とかなり多忙な日々を送っていたようです。
周囲からは明らかなオーバーワークに体調を心配する声があがっていました。
また、志村けんさんは2022年2月ご自身の誕生日パーティーで、胃の切除手術を受けていたことを告げていました。
胃癌だったのではないかと心配の声があがったのですが、所属事務所によれば健康診断で発見された胃のポリープを内視鏡手術によって切除したとのことでした。
さらには飲酒に関しても、量こそは控えていたようですが、新型コロナ蔓延下でも継続して夜の街へはでかけていたようです。
このように過去に肺炎、肝硬変を発症していたこと、胃のポリープの切除手術をしていたこと、オーバーワークによる疲労、飲酒と、様々な条件が重なった結果、新型コロナウィルスに感染する前から志村けんさんの体調は万全ではなかったことが伺えます。
こうした要因の積み重ねが、志村けんさんの新型コロナウィルス感染症による肺炎を重症化させた原因であると考察します。
まとめ
今回の調査では志村けんさんが生きているという噂について、確かな情報は得られませんでした。
調査にあたり、志村けんさんに関するTwitterやYOUTUBEのリプ欄やコメント欄を拝見しても、志村けんさんが亡くなったことに対して「実感がない」「信じられない」という意見が多くありました。
志村けんさんといえば、誰もが知っているコメディアンで、昭和・平成・令和と常に第一線でお茶の間に笑いを届け続けてきた方です。
「病気の流行」や「死」といった悲劇とはある意味対極にある存在といえるでしょう。
そんな志村けんさんがコロナに感染したというニュースから訃報まではわずか2週間程の短い期間でした。
当時を振り返ってみると、世界中が新型コロナウィルス感染による不安と混乱の渦の中にありました。
その混沌とした状況の中に突然志村けんさんの訃報が飛び込んできたとあっては、すぐさまそれを受容することはなかなか難しかったと思います。
それゆえ志村けんさんが生きている説がネット上で浮上する背景には、やはりどこかで「生きていてほしい」という願望を持っている人が少なからずいることがうかがえます。
志村けんさんは、それだけ多くの人に愛され存在感のあった国民的コメディアンだったということでしょう。
沢山の笑いをお茶の間へ届けてくれた志村けんさん。
個人的には、志村けんさんが奏でる三味線が大好きでした。
キリン「氷結」のCMでバカ殿様から一気に三味線奏者に変貌する様は圧巻の一言でした。
あらためて哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りいたします。